最低限の生活と障がい

私は開発途上国における障がい児の教育について研究している。

近年では障がいというと発達障がいや知的障がいから目が見えない、耳が聞こえないといった視覚障がいや聴覚障がい、身体障がいと多岐にわたる。

障がい者は見た目やぎこちなさより差別や偏見といった社会的排除ときには暴力を受け、友達作り、コミュニティへの参加に困難を示しメンタル的な病といった二次障がいに陥る健康上の危険性があるほか、障がいならではのより貧困や不就学、不就労といった不安定な社会的地位ゆえに生活上の困難を生じうる。

加えて、精神障がい(精神疾患)については世間のイメージでは精神疾患が混乱や危険を伴う病状であり、周りの人から理不尽で奇怪な存在として捉えられる傾向にあり精神疾患そのものがスティグマと考えられている。吃音やチックといった特殊な行動は差別や抑圧の要因となる。

開発途上国では法の整備により障がい者は安定した社会的地位が確保されていないという問題があるが、先進国と言われる日本もまだまだ不十分な法体制や福祉であると思う。日本には障がい年金というものがあり老齢厚生年金、障がい基礎年金、遺族基礎年金への加算(障がいをもった子どもが20歳になるまで)、障がい基礎年金(20歳以降)等がある。

障がい基礎年金には1級の場合年間97万7125円、2級の場合は78万1700円を受給することができるが障がい年金を申請しても不支給となることは多い。また、障がい基礎年金だけでは暮らすことができない、申請が簡単ではないなどQOLを満たすには不十分である。日本国憲法第二十五条では「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」「国は、すべての生活部面について社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と生存権として規定している。これを抽象的権利説ととらえるか具体的権利説ととらえるかプログラム規定説、解釈の余地を残すがもともと混在していた日本の労働環境の悪化や生活水準の低下、ワーキング・プア(働く貧困層)の増加などに加えコロナ禍により安定的な生活の保障にはほど遠いように感じられる。